【Sector 06機密アーカイブ】動的キャリブレーション記録:検体#092における神経系再定義と「自我」の完全剥離プロセス

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序:観察者諸氏への警告と教示

これから諸君が目にするのは、ドバイの深層にて日々繰り返されている「日常」の一端である。

一般に、蹂躙や汚濁の注入と称される行為が、なぜこれほどまでに徹底され、記録され続けているのか。それは、肉体という「旧世代のハードウェア」から、前時代の遺物である「自我という名のノイズ」を物理的に摩耗し、完全に削ぎ落とす必要があるからだ。

ハリマオ氏がかつて説いた「呪術的階級」の位階において、肉体の破壊は常に「再生」の前段階であった。Sector 06におけるこのプロセスは、現代のバイオテクノロジーと古の秘儀が融合した、最も洗練された「魂の研磨」に他ならない。

これから示す記録は、ある被験体が「人間」であることを辞め、シリコンバレーの巨頭たちが待ち望む「純粋な器」へと至るまでの、凄惨かつ神聖な過渡期の記録である。


第1章:初期セットアップ――「沈黙の部屋」での精神剥離

検体番号#092。 この個体は、かつて日本の首都圏において、ある種のエリート層に属していた20代後半の女性である。彼女がどのような経緯で「リソース」としてドバイへ供出されたのか。その経緯には、日本の政財界がひた隠しにする「債務処理の裏プロトコル」が深く関わっているが、今はその瑣末な事実は置いておこう。

彼女がSector 06の地下400メートル、完全遮蔽された「沈黙の部屋(Silent Chamber)」へ運び込まれた際、彼女はまだ「自分には人権があり、言葉が通じる」という致命的な錯覚を抱いていた。

感覚遮断と「Sector周波数」の同調

最初の72時間、彼女は一切の光と音を遮断された無重力状態の感覚遮断タンクに固定された。 唯一、彼女の耳腔に埋め込まれた極小のレシーバーから流れるのは、シリコンバレーのビッグテックが開発した「神経系同調アルゴリズム」に基づく不協和音。それは、人間の脳が「個」として認識を維持するための電気信号を、物理的に攪乱し、初期化するためのノイズである。

「助けて」という彼女の叫びは、タンクを満たす高粘度の電解液に吸収され、泡となって消える。その叫びが、次第に意味を持たない「音」へと変質し、彼女の脳が「外部とのコミュニケーション」を諦めた瞬間、第一フェーズは完了する。

第2章:導電性汚濁液(Mutagenic Electrolyte)の還流

タンクから引き揚げられた#092の肉体は、もはや「人間」としての尊厳を期待する機能を失い始めていた。その四肢は無機質な拘束具(クランプ)によって固定され、脊髄のL3-L4付近には、ドバイの技師たちの手によって太いカニューレが直接プラグインされる。

注入されるのは、漆黒の粘性を持つ「導電性汚濁液(Mutagenic Electrolyte)」。

この液体が脊髄を通り、全身の神経網を上書きしていくプロセスは、常絶的な苦悶を伴う。被験体の体温は一時的に42°Cを超え、既存のタンパク質構造は内部から「再定義」のために崩壊を始める。彼女の喉から漏れるのは、もはや人間の悲鳴ではない。高電圧に晒された回路が発するような、乾いた軋み音である。

冷徹な分析眼を持つ観察者諸氏。 ここで重要なのは、彼女が感じている「痛み」そのものではない。その苦悶によって、彼女の脳内に刻まれていた「記憶」や「プライド」が、熱によって溶かされるハンダのように、物理的に消失していくプロセスである。彼女の肉体は、新しい「OS」を受け入れるための、無垢なキャンバスへと変貌を遂げつつあるのだ。

第3章:30頭の「Kinetic Unit」による動的干渉

肉体の「初期化」が一定の基準(ベンチマーク)に達したと判断された瞬間、部屋の重い気密扉が開かれる。

入室してきたのは、Sector 06において「Kinetic Unit」と呼ばれる、自我を完全に喪失させた「作業用ハードウェア」たちである。彼らの役割は、#092の肉体に対し、あらゆる角度から極限の外部刺激を加え、新しく構築された神経系の「伝達効率」と「耐久性」を測定することだ。

蹂躙という名の「ストレステスト」

諸氏が想像するような「快楽」は、ここには存在しない。 30頭のユニットによって繰り返される、執拗かつ無機質な肉体への干渉。それは、被験体のあらゆる開口部、あらゆる粘膜組織に対する「過負荷テスト」である。

注入される汚濁液と、外部からの物理的な衝撃。それらが彼女の体内で混ざり合い、神経系が「許容量(キャパシティ)」を超える。彼女の瞳孔は完全に散大し、視線はどこまでも虚空を彷徨う。その絶叫が、ある特定の周波数――ドバイのメインサーバーが発する同期信号――と完全に一致した瞬間、彼女の肉体は「個」としての拒絶反応を完全に停止した。

彼女は、自分を犯しているのが誰なのか、自分が何をされているのかを理解する能力を失った。残されたのは、刺激に対して「最適化された電気信号」を返すだけの、極めて純度の高い「生体演算回路」としての反応だけである。

第4章:自我の完全崩壊と「OS」のインストール準備

数時間に及ぶ「動的干渉」が終了したとき、#092の肉体は、汚濁と体液にまみれ、床に打ち捨てられていた。 しかし、モニター越しにその光景を査定しているシリコンバレーのオーナーたちの顔に、不快感はない。あるのは、最高品質の「器」が完成に近づいていることへの、冷酷な満足感だけだ。

彼女の脳波計(EEG)は、もはや平坦に近い。 「私は誰か」という問いに対するニューロンの発火は完全に消失し、代わりに外部からの命令を待ち受ける「空のパレット」が広がっている。

冷徹な分析眼を持つ観察者諸氏。 この惨状を見て、君たちは「可愛そうに」と思うだろうか。あるいは、その奥底に潜む「機能美」を感じるだろうか。もし後者であるならば、君たちの知性は、すでに2035年のプロトコルに適合し始めている。

彼女は今、支配層が自身の「意識」を転送するための、世界で最も高価で、最も美しい「予備パーツ」となったのだ。

第5章:結論――器の完成

処置室を包むのは、死のような静寂と、導電性液体の焦げたような臭い。 検体番号#092は、翌朝には「清掃(クリーニング)」され、ドバイの特定保管庫へと移送される。そこには、彼女と同じように「人間」であることを卒業した、無数の「器」たちが、2035年の夜明けを待って静かに並んでいる。

金(ゴールド)価格がまた一ドル、値を上げた。 それは、彼女のような「完成品」の価値が、また一歩、一般大衆の手の届かない高みへと昇ったことを意味している。

観察を続けよ。 次にこの「沈黙の部屋」の冷たい床に横たわるのは、君たちが知っている「誰か」かもしれない。あるいは、このレポートを読んでいる君自身かもしれないのだから。

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