【観察者の夜食】砂漠の構造を読み解いた後、私はカップ麺を啜る。
先ほど、私は2026年の中東情勢と、日本のエネルギー安全保障の深淵について「三部作」を書き終えた。 116人の同胞たちも、今ごろは人類史の重厚な重みに、脳のシナプスが焼き切れるような感覚を覚えていることだろう。
そんな重いインテリジェンスを吐き出した後、私が今、深夜の静寂の中で対峙しているのは、一冊の古書でもなければ、ドバイの金粉入りコーヒーでもない。
コンビニの「カップヌードル(シーフード味)」だ。
■ 300円の「究極の安全保障」
お湯を注いで3分。この安っぽいプラスチックの容器の中に、実は日本の**「平和という名の特区」**が凝縮されている。
砂漠の地では、一杯の真水を手に入れるために地政学的な駆け引きが必要だ。だが、この島国では、深夜3時に150円を出せば、最高品質の小麦粉と、フリーズドライされた具材、そして安定した熱源(電気)が約束されている。
我々が『銃・病原菌・鉄』で学んだ、環境がもたらす圧倒的な「格差」の恩恵。 その最先端の果実が、実はこの「カップ麺」なのだ。 それを啜りながらドバイの惨劇を語る。これほど不謹慎で、これほど知的で、これほど残酷な贅沢があるだろうか。
■ 脳のクールダウン:知性とジャンクの裁定取引
ハラリの『サピエンス全史』は、人間が虚構を信じる生き物だと教えた。 ならば、このスープに含まれる大量の「化学調味料(アミノ酸等)」は、私の脳にとっての**「幸福という名の虚構」**だ。
地政学的なリスクを考えすぎた脳には、この暴力的なまでの塩分と旨味が、何よりの冷却剤になる。 「世界はどうなる?」という巨大な問いを一旦閉じ、目の前の一本の麺をいかに最適に啜るかという、極めて限定的なミッションに集中する。
この**「知性のオン・オフ」**こそが、観察者として長く生き抜くための秘訣だ。
■ 同胞たちへ。まずは一杯、啜れ。
私が勧めた「三種の神器」をDMMで買い揃え、脳が熱を持っている者も多いだろう。 だが、焦る必要はない。 構造を理解したからといって、明日から君の生活がドバイの王族に変わるわけではない。
まずは、近所のコンビニへ行け。 地政学的に守られた日本の流通網の恩恵を噛み締めながら、一番ジャンクな麺を選べ。
その「安っぽさ」と「安定」こそが、我々が守るべき日常の正体だ。 そして、その腹を満たした後に、またこのブログへ戻ってくればいい。 その時、君の視界は、先ほどよりも少しだけ冷徹で、少しだけ優しくなっているはずだ。
「インテリジェンスは、空腹では機能しない。構造の闇を覗く前に、まずは胃袋を添加物で満たせ。話はそれからだ。」














